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ピアニスト反田恭平さん、84キロスピード違反で在宅起訴…海外公演への影響は?弁護士が解説
画像はイメージです(長兵衛 / PIXTA)

ピアニスト反田恭平さん、84キロスピード違反で在宅起訴…海外公演への影響は?弁護士が解説

ピアニストの反田恭平さんが、首都高速を制限速度を84キロ上回る時速144キロで運転したとして、道路交通法違反の罪で起訴されていたと報じられました。

報道によると、起訴状では、反田さんは2025年12月20日の夜、首都高速で、最高速度を84キロ上回る時速144キロで運転したとされています。10月6日に、東京地裁で初公判が開かれ、検察官は拘禁刑3カ月を求刑、反田さんは起訴内容を認めたとされています。判決は10月29日に予定されています。

今後も国内外での公演が予定されており、SNSでは「海外渡航にも制約が出てしまうのでは」と心配する声も上がっています。今回の起訴や裁判の結果は、今後の活動にどのような影響があるのでしょうか。解説します。

●今後の渡航に問題が生じる可能性はある

判決が罰金刑であれば、これから説明する渡航の制限はかかりません。

しかし、大幅な速度超過で、罰金ではなく執行猶予付きの懲役刑(いまの拘禁刑)とした裁判例はいくつもあります(東京高裁平成29年(2017年)9月8日判決など)。

そこで以下では、仮に拘禁刑に執行猶予がついた場合を前提に説明します。

●執行猶予判決で直ちに出国が制限されるわけではない

執行猶予とは、簡単にいえば、その期間内に別の犯罪を行わなかった場合には、今回の刑が執行されなくなる制度です。

猶予期間中は海外に出られないと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、執行猶予中の人が、日本から出国すること自体を禁じる規定は特にありません。

刑事訴訟法342条の2には「拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者は、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならない」という規定があります。

この「拘禁刑以上の刑に処する判決」は実刑判決のことで、全部執行猶予がついた判決は入りません。

●パスポートの発給に支障が生じる可能性がある

もっとも、何も起きないわけではありません。

旅券法13条1項3号には、「拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者」には一般旅券(パスポート)を発給しないことができる、という規定があります。

この「執行を受けることがなくなるまで」に、執行猶予中の人が含まれます。

2026年1月、総務省の行政不服審査会は、執行猶予中の人の申請を外務大臣が断ったのは妥当だと答申しました。

答申には「法定刑の軽重は(略)本件拒否処分の当否の判断に影響を及ぼさない」という記載があります。

いま持っているパスポートも、交付の後にこの3号に当たるようになれば、返納を命じられることがあります(旅券法19条1項)。

ただ、条文はどちらも「できる」という書き方です。

必ず発給されないとか、返納しなければならないというわけではなく、渡航の目的や必要性をみて個別に判断されます。

渡航先や有効期間を限ったパスポートを出す仕組みもあります(旅券法5条2項)。

なお、渡航先の国に入れるかどうかは、相手国の判断となります。

●他の問題として

音楽の公演には様々な関係者がおり、その関係で公演が中止になるケースもあるかもしれません。

たとえば、10月7日の報道で、NHKの「第93回NHK全国学校音楽コンクール 全国コンクール 中学校の部」への出演が中止となっています。

NHKは「番組の内容や演出の総合的な判断から出演取りやめとなりました」と説明していると報じられています。

有名人気ピアニストということもあって、今後の活動に対する影響は小さくはないでしょう。

小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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