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ハンセン病元患者「違憲認めず不満」 最高裁の「特別法廷」謝罪を受け面会
会見した藤崎陸安事務局長(右)と徳田靖之弁護士

ハンセン病元患者「違憲認めず不満」 最高裁の「特別法廷」謝罪を受け面会

かつてハンセン病患者の裁判が、隔離された療養所に設置した「特別法廷」で開かれていた問題について、最高裁が調査報告書を発表して謝罪したことを受け、元患者の団体などが4月27日、最高裁の調査委員会と面談し、説明を受けた。

面談後、全国ハンセン病療養所入所者協議会が東京・霞が関の司法記者クラブで会見。藤崎陸安事務局長は「最高裁は調査に真摯に取り組んでくれたと思っている。しかし、報告書に憲法違反という文言がなく、誠に残念で不満が残ります」と話した。

ハンセン病患者が被告になった「特別法廷」は、1948~72年の25年間で95件開かれた。ハンセン病が完治する病気と分かってからも、隔離された特別法廷で開かれており、憲法に定められた平等の原則や裁判の公開原則に違反しているという指摘を受けていた。

報告書では、完治すると分かった1960年以降の運用について「違法」としたが、憲法判断にまでは踏み込まなかった。その理由について、最高裁からは資料が不足していて、調査しきれなかったという説明があったという。藤崎事務局長は、「説明は評価できた」としつつ、「話の節々に資料がないという言葉が出てきた」と嘆いた。

一方、面談に同席し、最高裁側とやりとりした徳田靖之弁護士は、「最高裁がここまで反省し、謝罪するとは予想していなかった。報告書では、実質的には(法の下の平等を示した)憲法14条違反を認めていると私は解釈しました。また、裁判の公開原則違反についても、報告書にはないが、最高裁が疑いを持ったと、私は認識しました」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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